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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科41巻3号

1987年03月発行

文献概要

原著

Etretinateが奏効した膿疱性乾癬Annular型(再発性環状紅斑様乾癬)

著者: 松永佳世子1 細川かをり1 早川律子1

所属機関: 1名古屋大学医学部附属病院分院皮膚科

ページ範囲:P.239 - P.244

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 44歳,男性.37歳より躯幹に鱗屑性紅斑出現.42歳時当科初診.顔面・四肢・躯幹に微細鱗屑を被る紅斑と一部に小膿疱を認めた.組織学的には表皮内への単核球・好中球浸潤と赤血球の漏出を認めた.ステロイド外用剤の塗布,抗ヒスタミン剤,ビタミンB2内服にて効果なく,メドロール4mg/日の内服開始3カ月後より皮疹増悪,環状紅斑となり半粟粒大の膿疱形成著明となった.生検にて角質層に好中球性膿疱とこれに連続するKogoj海綿状膿疱を認めた.全身症状は認めなかった.以上より膿疱性乾癬annular型,即ち再発性環状紅斑様乾癬と診断.Etretinate 50mg/日内服にて皮疹は完全に消褪した.内服中止1カ月後,鼠径部・手関節部に小膿疱を有する点状病変を認め生検にて膿疱性乾癬の再発を確認しetretinateを再投与.現在10mg隔日投与にて皮疹は完全に抑制されている.再発性環状紅斑様乾癬としては本邦第8例目.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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