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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科41巻3号

1987年03月発行

原著

腹直筋皮弁を用いて再建した胸部放射線潰瘍の2例

著者: 浦田裕次1 中西浩1 塙伸太郎1 大原国章1 浅野さとえ2

所属機関: 1虎の門病院皮膚科 2同愛記念病院皮膚科

ページ範囲:P.245 - P.249

文献概要

 乳癌手術後の放射線照射による潰瘍を腹直筋皮弁を用いて再建した2例を報告した.放射線による皮膚障害は軽症の場合は保存療法で十分であるが,深達性の潰瘍がある場合は手術療法が必要となり,筋皮弁術のよい適応となる,胸部の放射線潰瘍に対しては,従来は広背筋皮弁術が,よく用いられてきた.しかし,1977年Drever1)が腹直筋皮弁術を提唱してから,多数の報告が認められるようになった.腹直筋皮弁は,広背筋皮弁と異なり,術中の体位変換が不要であり,出血する可能性も低く,donor siteへの植皮をしなくても,比較的広範囲を被覆できることなどの利点がある.欠点として腹壁ヘルニア,腹部皮膚の緊張の増強,臍の下方への偏位がある.しかし適応を考慮すれば,非常に有用な術式と思われた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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