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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科41巻4号

1987年04月発行

文献概要

原著

尋常性乾癬と白斑の合併例

著者: 山田裕道1 西川千香子1 神野公孝1 種田明生1 小川秀興1

所属機関: 1順天堂大学医学部皮膚科教室

ページ範囲:P.305 - P.308

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 24歳で尋常性乾癬に罹患,34歳で白斑の合併をみた73歳女性の症例を報告する.白斑は乾癬皮疹部の辺縁より始まり外方へと拡大し,さらに乾癬と無関係の部位にも生じた.病理組織学的には白斑皮疹部のみならず,乾癬皮疹部においてもメラニン染色陰性,DOPA反応陰性であった.検査所見としてはIgG,IgA高値,抗甲状腺抗体が認められた,治療はステロイド外用とPUVA療法の併用にて乾癬は著明に軽快,白斑部には色素沈着をみている.乾癬,白斑ともにその病像形成に免疫学的機序が考えられており,本症例の如く自己免疫性疾患の素因のある個体に両疾患が合併したことは興味深い,乾癬と白斑の合併例は欧米では若干の報告があるが,本邦では非常に稀有と思われ,症例の検討に加え,乾癬,白斑両疾患の因果関係を中心に若干の考察を行い,両者の関連性を示唆する所見を得た.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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