文献詳細
原著
文献概要
59歳,男.約1年前より頬に淡紅色の浸潤性局面が出没してきた.その生検標本では毛包および脂腺の周囲に好酸球とリンパ球から成る稠密な細胞浸潤が存在し,若干の毛包では外毛根鞘に酸性ムコ多糖類の沈着が顕著であるが毛根鞘内への細胞浸潤はごく軽度であり,他の毛包では外毛根鞘に細胞浸潤は顕著であるが酸性ムコ多糖類の沈着は軽度であった.前者の毛包病変を比較的早期の変化,後階の毛包病変をより進行した変化と考えて,本症例を毛包性ムチン沈着症と診断した.発症の約2年後に皮疹の発生は止まり,その後1年間再発はみられない.
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