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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科41巻5号

1987年05月発行

文献概要

原著

AIDS患者に生じたKaposi肉腫の1例

著者: 清水宏1 西川武二1 細田泰弘2

所属機関: 1慶応義塾大学医学部皮膚科教室 2慶応義塾大学医学部病理学教室 3

ページ範囲:P.379 - P.385

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 AIDS患者に生じたKaposi肉腫の1例を報告した.患者は45歳,ブラジル在住白人,男性同性愛者,日和見感染,体重減少,抗HTLV—Ⅲ抗体陽性等からAIDSと診断される.最近1〜2カ月の間に,頸部,躯幹,陰部周囲に赤ブドウ酒色の指頭大小結節あるいは扁平隆起性浸潤局面が約100個多発してきた.小結節は組織学的に真皮を上下に広く押し開くように増生する辺縁比較的明瞭な腫瘍巣から形成されている.腫瘍巣と被覆表皮との間には正常膠原線維層を認める,腫瘍細胞は,核小体が明瞭で大型多形な核を有する内皮細胞様細胞と紡錘形細胞から構成されており,それらが赤血球を有する小管腔を形成するように増生し,組織学的には典型的なKaposi肉腫の像を呈した.諸外国および本邦におけるAIDS患者の発生状況について現状を述べ,またKaposi肉腫を初めとする,AIDS患者に高率に出現することが知られている多彩な皮膚症状について言及した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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