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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科41巻5号

1987年05月発行

文献概要

原著

早期胃癌を併発したSweet症候群

著者: 碇優子1 橋爪鈴男1 相原満里子1 神田秀一1 原本泉1 芹川宏二1 内田博子2 田所衛3

所属機関: 1聖マリアンナ医科大学皮膚科教室 2相模原協同病院皮膚科 3相模原協同病院病理

ページ範囲:P.407 - P.413

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 49歳,男.左手関節痛とともに手背に有痛性浸潤紅斑が出現,顔面,項部,四肢に拡大した.末梢血好中球数増加,脂肪肝,糖尿病あり.病理組織学的に真皮に核塵を伴う好中球,リンパ球様細胞の密な浸潤を認め,赤血球血管外遊出,血管内皮細胞の膨化,フィブリノイド変性をわずかに認めた.臨床症状,検査所見はコルヒチン内服にて軽快した.経過中,全身検索にて胃癌を確認,胃亜全摘出術を施行,組織学的にsignet ringcell type,Ⅱb+Ⅱcの早期胃癌であった.術後,軽度の皮疹再燃を認めた.Sweet症候群と悪性腫瘍の合併例の多くは白血病である.白血病以外の悪性腫瘍との合併例は現在まで11例が報告されている.悪性腫瘍合併例について文献的に考察し,また,本症に対するコルヒチン治療について考察を加えた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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