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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科41巻8号

1987年07月発行

原著

Palisading Granulomaの組織像を呈したマンソン裂頭条虫症

著者: 向井秀樹1 刀祢毅1 岩崎雅1 伊藤洋一2 吉原正明3

所属機関: 1北里大学医学部皮膚科教室 2北里大学医学部寄生虫学教室 3吉原医院

ページ範囲:P.601 - P.605

文献概要

 50歳,主婦の左前腕内側部に生じたマンソン裂頭条虫症を報告した.一般的に,本症は臨床的に他の疾患を疑い,生検により虫体を検出し診断されることが多い.今回,我々は臨床的に種々の良性腫瘍を考え,生検にてpalisading granulomaの組織像を呈し,血液および尿検査より糖尿病を証明したことから,皮下型の環状肉芽腫を考えた.しかし,同組織内に多数の好酸球がみられたため,寄生虫症を疑い各種皮内および血清反応を施行.その結果,マンソン裂頭条虫症と診断した.生検6カ月後に,再発した皮下結節より虫体を証明した.本症の組織像は,好酸球を伴う非特異的肉芽腫とされているが,自験例の如きpalisading granulomaを呈することも稀にあり,その際には寄生虫症も念頭におくべきと考えた.さらに,本症の診断に皮内および血清反応が有効であることを強調したい.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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