icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科41巻8号

1987年07月発行

原著

Bowen病様組織変化を示したHidroacanthoma Simplex

著者: 野崎重之1 上田宏一1 実川久美子1 佐藤昌三1 安西喬1

所属機関: 1日本赤十字社医療センター皮膚科

ページ範囲:P.621 - P.624

文献概要

 67歳,女性の臀部に生じたhidroacanthoma simplexの1例を報告した.病理組織学的に腫瘍巣は表皮内に限局するが,一部の腫瘍胞巣では腫瘍細胞の核の大小不同,細胞配列の乱れが顕著で,核の異型性,核分裂像,clumping cellなどBowen病様変化を認めた.1963年から1985年までに報告された本邦例で,核または細胞に異型性がみられたeccrine poroma 7例,自験例を含めたhidroacanthoma simplex 7例について臨床および病理組織につき考察した.その結果,異型性のみられた例では異型性のみられない例より腫瘍の好発年齢は高く,腫瘍に増大傾向を認めた.さらにeccrine poromaでは下肢に好発し腫瘍がやや大きい,hidroacanthoma simplexでは局面状皮疹に腫瘤形成するなどの特徴がみられた,また,これらの症例にみられた細胞または核の異型性の意義について考察を加えた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら