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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科41巻9号

1987年08月発行

文献概要

原著

自然退縮を示した先天性皮膚組織球増殖症—Congenital Self-healing Reticulohistiocytosis(Hashimoto & Pritzker)とは異なる1例

著者: 正橋寿子1 高橋伸也1 森下由美子2

所属機関: 1秋田大学医学部皮膚科教室 2秋田大学小児科教室

ページ範囲:P.677 - P.685

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 出生時から全身に100個に及ぶ結節と多数の赤褐色斑のみられた男児を経過を追って観察した.皮膚以外に病変を認めず,結節は生後18日頃から退縮し始め,2.5カ月では大部分が平低化し,7カ月では数個を残すだけであった.臨床経過はcongenital selfhealing reticulohistiocytosis(CSR)に似ていたが,電顕ならびに免疫組織化学的所見に重要な違いがみられた.電顕上,自験例の腫瘍細胞には桿状の小器官が多数みられたが,超微形態は典型的なLangerhans cell(LC)顆粒とはかなり異なっていた.また,抗S-100蛋白抗体に対して経過を通じて陰性を示した.これらの所見は,CSRの腫瘍細胞はLC顆粒を有し,S-100蛋白が陽性であるとする近年の報告と異なる.自験例とCSRとの違いを明らかにするとともに,組織球増殖症における自験例の位置付けを試みた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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