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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科42巻1号

1988年01月発行

原著

鬱滞によると思われる下腿の皮下脂肪織炎の3例

著者: 黒瀬信行1 五十嵐敦之1 五十棲健1 大河内仁志1 石井晶子1 土田哲也1 関利仁1 玉置邦彦1

所属機関: 1東京大学医学部附属病院分院皮膚科

ページ範囲:P.25 - P.31

文献概要

 最近我々は,長年に亘る下肢静脈瘤に伴う浮腫の経過中に,下腿の板状硬結ないし皮下結節を来した同様な臨床像,組織像を呈する3症例を経験した.これらはWeber—Christian病,Rothmann-Makai症候群,結節性紅斑,硬結性紅斑,血栓性静脈炎,ステロイド後脂肪織炎等と鑑別可能であり,木村らの報告した,"静脈鬱滞によると思われる下腿の皮下脂肪織炎"と同一の範疇に属する病態と考えた.その成因として静脈瘤に起因する循環不全による脂肪壊死が考えられた.Stasis dermatitisの臨床像を呈するものは少ないが,同様の機序が働いていることが示唆され,これらの病態をstasis panniculitisとしてまとめうる可能性があるものと思われた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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