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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科42巻1号

1988年01月発行

文献概要

原著

壊死性遊走性紅斑の1例

著者: 金子佳世子1 肥田野信1 上村誠2 大庭義人2 鎮目和夫2 宮川高一3

所属機関: 1東京女子医科大学皮膚科教室 2東京女子医科大学第二内科教室 3立川相互病院内科

ページ範囲:P.33 - P.37

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 55歳,男性.7年前,膵腫瘍,多発性胃潰瘍のため膵頭,胃・十二指腸,胆嚢切除術施行.2年前から下肢,臀部に落屑性紅斑が出現している.血中グルカゴン高値,低蛋白血症,下痢,正球性正色素性貧血,低アミノ酸血症,耐糖能異常などを認めた.皮膚所見は壊死性遊走性紅斑と診断されたが,グルカゴノーマは発見できなかった.経過中,Stevens-Johnson症候群を併発したため高カロリー輸液を施行したところ,検査値の正常化に伴い皮疹も軽快し,再発をみない.膵頭,胃切除後の消化吸収不良により引き起こされた著しい低栄養状態を背景に出現した皮疹と考えた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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