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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科42巻1号

1988年01月発行

原著

Follicular Mucinosis—特発型と症候型の比較検討

著者: 長谷哲男1 金秀沢1 馬場直子2 宮本秀明3 中嶋弘1

所属機関: 1横浜市立大学医学部皮膚科教室 2横須賀共済病院皮膚科 3平塚共済病院皮膚科

ページ範囲:P.39 - P.43

文献概要

 3例の特発型,1例の症候型のfollicular mucinosisについて比較検討した.症候型の1例は悪性リンパ腫に伴ったものであり,皮膚T細胞性リンパ腫(CTCL)の特徴を示した.即ち,多発性であり,組織学的にはポートリエ微小膿瘍が認められ,免疫組織化学ではLeu 3a陽性のCD3, CD4型腫瘍であった.特発型の3例と比較すると,形質細胞,リゾチーム陽性細胞は多かったが,S−100蛋白陽性細胞は減少していた.好酸球浸潤については特発型の1例にも認められた.表皮向性も特発型の1例において認められた.これら4例の検討を通してHempsteadらの説,即ちfollicular mucinosisは疾患名でなく毛嚢脂腺系の特徴的組織変化を表す組織学的用語としての意味を持つにすぎないとの説について検証した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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