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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科42巻1号

1988年01月発行

文献概要

原著

足底に生じた悪性黒色腫の典型例および疑診例—スタンプ螢光法と病巣中5-S-cysteinyldopa測定による確定診断

著者: 兼松秀一1 森嶋隆文1 花輪滋1 鮫島俊朗1 柴田明彦1

所属機関: 1日本大学医学部皮膚科教室

ページ範囲:P.45 - P.48

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 臨床的に足底の結節型悪性黒色腫が疑われた67歳,女性例(症例1)と37歳,男性例(症例2)の確定診断のために,スタンプ螢光法と病巣中5-S-CD値測定が行われた.症例1では病巣表面からのスタンプ螢光法で,多数の螢光性黒色腫細胞がみられ,術中の病巣割面からのスタンプ螢光法でも同様細胞が確認され,病巣中5-S-CD値も高値であり,悪性黒色腫と診断しえた.症例2では病巣表面から,また病巣割面からのスタンプ螢光法で,螢光性腫瘍細胞はみられず,病巣中5-S-CDも検出不能で,黒色腫は否定的であった.病理組織学的所見は出血を伴った毛細血管拡張性肉芽腫であった.以上,病巣表面からのスタンプ螢光法は黒色腫の術前診断法として,病巣割面からのスタンプ螢光法および病巣中5-S-CD値の測定は術中診断法として有用であることを再確認した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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