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原著
骨髄性プロトポルフィリン症の1例—β-carotene内服療法
著者: 車地祐子1 佐藤吉昭1
所属機関: 1東京医科歯科大学医学部皮膚科学教室
ページ範囲:P.891 - P.896
文献購入ページに移動 14歳,男.9歳頃より日光過敏症状あり.初診時,顔,手背に多数の小瘢痕および色素沈着を認めた.血液中,糞便中のプロトポルフィリンは著しく増加していたが,尿中ポルフィリン体は正常であった.赤血球螢光,光溶血現象ともに陽性で,400nm単色光照射により皮疹が誘発された.本例にβ-carotene(Phenoro)内服療法を行い,その血中濃度の推移と,症状の改善および皮疹誘発の抑制との関係について検討した.その結果,本剤75mg/dayの1〜2週間内服で急性皮膚症状の出現は完全に抑制され,その臨床効果は内服中止後も2,3週間持続した.この間,患者はほぼ健常人並みの生活が可能であった.以上より急性皮膚症状の抑制には,血中の総carotene濃度を400〜600μg/dl以上に保つことが必要と思われた.
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