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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科42巻10号

1988年10月発行

原著

穿孔型環状肉芽腫—我国の統計事項を中心として

著者: 花田裕子1 森嶋隆文1 佐藤和三2

所属機関: 1日本大学医学部皮膚科学教室 2

ページ範囲:P.897 - P.902

文献概要

 27歳,女性の穿孔型環状肉芽腫の定型例を報告.自験例で特異なことは環状病巣にも穿孔を思わせる臨床所見を認めたことである.我国の本症10例について統計的観察を試み,以下の結果を得た.1)罹患年齢や性差は通常の環状肉芽腫と差はない.2)病型:限局型よりも汎発型に多い傾向がある.3)穿孔皮疹の臨床像:丘疹型では中心臍窩を有し,鱗屑や痂皮が付着し,ときに小水疱様ないし膿疱様外観を呈する.潰瘍型では爪甲大からピンポン玉大の浸潤局面で,辺縁や局面内に米粒大前後の黒色痂皮,小陥凹や小孔を認める.4)病理組織学的所見(穿孔機序):palisading granulomaが表皮直下に位置することを特徴とする.丘疹型では変性膠原線維の経表皮性排除機構を示し,潰瘍型では表皮が壊死に陥って潰瘍を形成し,変性膠原線維を直接排除する.5)合併症:糖尿病が潰瘍型の2例,丘疹・潰瘍型の1例に合併,丘疹型では糖尿病の併発はなかった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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