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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科42巻10号

1988年10月発行

文献概要

原著

皮膚病変を伴った全身性アスペルギルス症の1例

著者: 片山治子1 安田英己2 森安惟一郎3

所属機関: 1岡山済生会総合病院皮膚科 2岡山済生会総合病院内科 3岡山済生会総合病院臨床検査科

ページ範囲:P.921 - P.925

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 肺結核に続発したアスペルギルス性肺膿瘍から全身播種を来し,皮膚病変を生じた全身性アスペルギルス症の1例を報告した.症例は43歳の女性,皮疹は掌蹠のみに多発する浸潤性紅斑で,膿疱化するものがある一方で自然消褪するものもあった.組織学的には真皮内の限局性の肉芽腫で,PAS染色で肉芽腫の中に少数の菌糸が認められた.皮膚組織片の培養にて,原因菌はAspergillus fumigatusと同定された.AmphotericinBと5FCの併用療法にも反応せず,短期間のうちに死亡した.過去の,皮膚病変を伴う全身性アスペルギルス症の本邦報告例についても簡単に述べた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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