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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科42巻10号

1988年10月発行

原著

Wegener肉芽腫症—いわゆるPustular Vasculitis像を呈した1例

著者: 宮本裕1 木藤正人1 樋口定信2 東家倫夫3 吉田重彦3 浜田哲夫4

所属機関: 1熊本市民病院皮膚科 2熊本市民病院内科 3熊本市民病院耳鼻咽喉科 4熊本市民病院臨床病理室

ページ範囲:P.933 - P.937

文献概要

 28歳女子のWegener肉芽腫症の1例を報告した.皮疹で特徴的なことは,四肢伸側,臀部,肘,膝などの関節背面に膿疱が初発したことと,下腿にみられた皮疹の一部に直線状の配列をなすものがあり,いわゆるケブネル現象を示していると考えられたことである.また,膿疱は病理組織学的に表皮内膿疱および膿疱直下の真皮の血管炎からなり,いわゆるpustular vasculitis像を呈しており,Wegener肉芽腫症においてもpus—tular vasculitisがみられたことは,興味ある所見と考えられた.治療はcyclophosphamideとcorticosteroidの併用療法を行い,自験例ではcyclophosphamideが奏効し,良好な経過をとったと考えられた.また自験例では発症から診断までの期間が約6カ月と比較的短期間であったことと,早期に治療を開始することができたことが,腎炎などの重篤な症状への進展を阻止できた理由と考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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