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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科42巻10号

1988年10月発行

原著

先天性皮膚欠損症の切除瘢痕部周囲に見られたMultiple Satellite Granuloma Telangiectaticumの乳児例

著者: 出光俊郎1 植木裕美子1 矢尾板英夫1 市橋光2 中三川晃利2

所属機関: 1自治医科大学皮膚科学教室 2自治医科大学小児科学教室

ページ範囲:P.951 - P.956

文献概要

 生後1カ月,女児.出生時,仙骨部に皮膚の欠損を伴った脊髄髄膜瘤があり,根治手術を行った.同時にその上方,腰椎直上に先天性皮膚欠損症の治癒後とみられる萎縮性の小瘢痕を指摘され切除,縫縮を行ったが,離開し,瘢痕治癒した.術後1カ月より腰椎部の瘢痕を中心に毛細血管拡張および鮮紅色丘疹が多発し,急速に増大,増数した.病理組織では角質増殖に加えて真皮乳頭層に赤血球を容れる脈管の拡張と増生を認め,一部では内被細胞の増殖も観察された.組織学的には被角血管腫に類似する点もあるが,全体としてmultiple satellite granuloma telangiectaticumに一致すると考えた.また,その後の検索によりArnold-Chiari奇形が確認された.Multiple satellite granulomatelangiectaticumの本邦最年少例を報告し,中枢神経疾患との合併例について文献的に考察を行った.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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