icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科42巻10号

1988年10月発行

文献概要

原著

多発性丘疹状毛包上皮腫の5例

著者: 林葉子1 菊池りか1 中島静香1 肥田野信1

所属機関: 1東京女子医科大学皮膚科学教室

ページ範囲:P.969 - P.973

文献購入ページに移動
 多発性丘疹状毛包上皮腫(TPM)の5例(女4例,男1例)を報告した.臨床像では4症例における顔面の皮疹は典型的で,内1例は頭部に,1例は下腿にも結節があった.他の1例は遺伝的背景を欠き,老人期発症で鼻部に皮疹が3個しかないことから,TPMというよりは孤立性毛包上皮腫の多発型とするのが妥当と考えた.組織学的に,顔面および頭部の皮疹は典型的なtrichoepitheliomaの像を呈した.下腿の1例は腺様構造を主体とするBCE様のtrichoepitheliomaであり,骨異常を認め,母斑症的性格を有した点から,基底細胞母斑症候群との関連性が示唆された.家族内同症を1例で認め,常染色体性優性遺伝と考えられた.1例に胃癌の合併を認めた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?