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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科42巻11号

1988年11月発行

文献概要

原著

肺結核を合併したHypereosinophilic Syndromeの1例

著者: 高木茂13 大野盛秀1 吉友和夫2

所属機関: 1東海逓信病院皮膚科 2東海逓信病院内科 3名古屋市立大学医学部皮膚科学教室

ページ範囲:P.1013 - P.1018

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 77歳,男性.ほぼ全身に掻痒感の強い神経皮膚炎様皮疹,丘疹を伴った紅斑および紫斑があり,不眠,強度の倦怠感および体重減少等の全身症状を合併した.発熱および肝脾腫はみられなかった.臨床検査で肺結核の合併と,末梢血および骨髄像に著明な成熟型好酸球の増多がみられた.左腰部の丘疹を伴った紅斑部位の病理組織所見では,真皮上中層の血管周囲に組織球,小円形細胞および多数の好酸球の浸潤とその脱顆粒がみられた.抗結核療法開始3カ月後,ステロイド内服を併用したところ,皮疹全身症状および異常検査値の改善がみられた.外用PUVA療法はステロイド内服量の漸減に有効であった.本症例の肺結核とHES発症との関連性について文献的考察を行った.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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