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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科42巻11号

1988年11月発行

文献概要

原著

尋常性疣贅の発生部位に限局して生じた尋常性乾癬—乾癬発症におけるIFNの関与について

著者: 小林勝1 塩原哲夫1 長島正治1

所属機関: 1杏林大学医学部皮膚科学教室

ページ範囲:P.1019 - P.1023

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 両手背の尋常性疣贅の発生部位に限局して尋常性乾癬が生じた54歳,男性例を経験したので2,3の実験を試み,乾癬発症におけるインターフェロン(IFN)の関与についての考察を加えて報告した.即ち,同患者の手関節屈面には全く乾癬の併発を認めない尋常性疣贅がみられたので,これを対照としてDNCB誘発刺激を加えたところ,手背の疣贅では乾癬を生じたものの,手関節屈面の疣贅では乾癬の発症をみず,苔癬型組織反応を呈したのみであった.次いで,エトレチネート内服により乾癬を消褪させた後,残った疣贅に対してインターフェロンα(IFNα)を局注したところ,手背部,手関節屈面の疣贅とも乾癬を生じてきた.この結果から乾癬の発生にはIFNが関与していることが示唆された.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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