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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科42巻11号

1988年11月発行

文献概要

原著

前腕に生じた単発型皮膚グロムス腫瘍の1例

著者: 佐藤貴浩1 勝俣道夫1 柳澤啓子2

所属機関: 1東京医科歯科大学医学部皮膚科学教室 2飯田橋医院皮膚科

ページ範囲:P.1037 - P.1041

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 30歳,男性の右前腕に生じた単発型皮膚グロムス腫瘍の1例を報告した.組織学的には真皮中層に1層の内皮細胞で囲まれた大小の血管腔と,その周囲に円形の核と好酸性の胞体をもついわゆるグロムス細胞が増殖していた.グロムス細胞は,エラスティカ・ワンギーソン染色で黄染,アザン・マロリー染色で赤染,ビメンチン陽性,デスミン陰性であった.また,間質と一部の細胞巣内に弾性線維,管腔周囲と個々のグロムス細胞を取り囲むように網状に嗜銀線維を認めた.第Ⅷ因子関連抗原は血管腔に沿って陽性,S100蛋白は間質の神経線維に陽性を呈した.電顕的にグロムス細胞は平滑筋細胞に類似し,間質には種々の量の膠原線維,不定形物質,マスト細胞,さらに多くの有髄神経がみられ,また無髄神経も散見された.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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