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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科42巻11号

1988年11月発行

文献概要

原著

家族性良性慢性天疱瘡—DDSが奏効した1症例

著者: 名村章子1 伊庭仁樹1 赤枝民世1 尾口基1

所属機関: 1関西医科大学皮膚科学教室

ページ範囲:P.1073 - P.1077

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 DDSによる治療が効果的であった家族性良性慢性天疱瘡の1症例を報告した.39歳男性で,約10年前より,まず頸部に皮疹が生じ,漸次腋窩,陰股部に拡大し,肘窩,膝膕にも皮疹はみられ,軽快増悪を繰り返していた.家系に同症があり,臨床的,組織学的に家族性良性慢性天疱瘡に典型的であった.治療と経過は外用療法と抗生剤の全身投与を2週間以上行うも改善が得られず,抗生剤に変えてDDSを150mg/日2週間投与することにより,皮疹は軽快した.次いで,100mg/日に減量し,約2カ月半の経過で寛解状態に至り,DDSも中止した.外用療法のみで約1年を経たが皮疹の再燃はない.DDSの各種皮膚疾患に対する奏効機序についても考察した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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