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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科42巻12号

1988年12月発行

原著

Subsepsis Allergicaの1例—特にStill病との関係について

著者: 仲弥1 西川武二1

所属機関: 1慶應義塾大学医学部皮膚科学教室

ページ範囲:P.1107 - P.1111

文献概要

 49歳男性のsubsepsis allergicaの1例を報告した.臨床的には間歇性の弛張熱に加えて,発熱とともに全身に出没する一過性の粟粒大から爪甲大の蕁麻疹様淡紅色紅斑および一過性の関節痛を認めた.末梢血にて好中球が増加し,敗血症が疑われたが,血液培養にて病原菌は検出されず,感染病巣の存在を示唆する所見もなく,抗生剤は無効であった.副腎皮質ステロイド剤内服にて症状,検査所見とも著明に軽快した.本症とStill病の異同については従来より議論が多い.両疾患の病状はかなり一致しており,本質的には両者は同一の疾患と考えられるが,若干の概念的な相違もある.本症の病因が解明されていない現在,より膠原病的色彩の強いStill病の名称に統一するのは早計と思われ,関節症状が軽微であった自験例においては"subsepsis allergica"を用いた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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