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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科42巻12号

1988年12月発行

文献概要

原著

疥癬結節について—発生に関する検討

著者: 久保容二郎1 山下和徳2 鳥山史3 野中薫雄4

所属機関: 1久保皮膚科医院 2佐世保総合病院皮膚科 3健康保険諫早病院皮膚科 4長崎大学医学部皮膚科学教室

ページ範囲:P.1129 - P.1133

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 疥癬結節の特異的な3例について病理組織学的または直接鏡検による検討を試みた.その結果,2症例では不全角化を伴う部の角層内に嚢状間隙が存在し,その底部に虫卵または卵殻が認められた.他の1症例の直接鏡検では,母虫,約15個の虫卵,4個の卵殻および糞便などからなる長楕円形の集塊が認められた.これらの所見は交配,受精した成熟雌虫が角層内で1〜2カ月間ほぼ静止していることを示唆していると考えられる.そして,その場で産卵し,虫体およびその排泄物,特に糞便などの成分が角層内嚢状間隙の底部から,表皮,真皮へと垂直方向より直線的にしかも持続的に浸透するため肉芽腫性炎症が惹起され,結節が形成されると考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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