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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科42巻12号

1988年12月発行

文献概要

原著

Eccrine Porocarcinomaの1例

著者: 寺木祐一12 杉浦丹1 清水宏2

所属機関: 1清水市立清水総合病院皮膚科 2慶應義塾大学医学部皮膚科学教室

ページ範囲:P.1155 - P.1160

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 68歳,男.30年来,右下腿に黒褐色の結節が存在,最近辺縁より易出血性の暗紅色結節が出現.組織:黒褐色結節周辺部では類円形の好塩基性,細胞質に乏しい小型の細胞が増生,一部に細胞間橋を認め,辺縁の柵状配列はなし.中心部では腫瘍細胞はより真皮内に増殖し,異型性や核分裂像を呈する細胞も散見,暗紅色結節部では明るい細胞が多く,細胞の大小不同,異型性が強く,核分裂像も著明.また好酸性に染まる無構造集塊も認める.以上より本症例は組織学的にeccrine poromaよりeccrine poroepitheliomaを経てeccrine porocarcinomaへと進展した像を認め,eccrine poromaはeccrine po-rocarcinomaの前駆症となり得る可能性を組織学的に示唆する症例と考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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