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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科42巻2号

1988年02月発行

文献概要

原著

巨大色素性母斑上に生じたVerrucous-Keratotic Malignant Melanomaの1例

著者: 北出勘治1 水谷仁1 清水正之1

所属機関: 1三重大学医学部皮膚科教室

ページ範囲:P.137 - P.140

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 35歳,男性.生下時より左下肢全体に無症候性皮疹があり,初診7カ月前に左大腿部の腫瘤に気づいた.左下肢全体に褐色から黒色の色素性母斑を認め,左大腿外側の母斑上に直径約35mmの黒色,一部灰黒色,表面に白色調の角質が付着し,疣贅状に隆起する境界明瞭な腫瘍を1個認めた.悪性黒色腫を疑い,腫瘍を広範全摘した.組織学的には,表皮真皮境界部に帯状にメラノーマ細胞の増殖があり,腫瘍巣を被覆する表皮は不規則に肥厚し,過角化,錯角化,papillomatosisを示した.腫瘍周囲の母斑は複合型色素性母斑であった.自験例はKuehnl-Petzoldtらの報告したverrucous-keratotic ma—lignant melanomaに一致すると考えられた.本症は悪性黒色腫の一亜型として捉えるべきであると考えた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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