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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科42巻2号

1988年02月発行

文献概要

原著

進行胃癌に合併した巨大なボーエン病の1例

著者: 安藤浩一1 森重彰1 室慶直1 大橋勝1 神田正明2 槇坪康子2

所属機関: 1名古屋大学医学部皮層科教室 2市立岡崎病院皮膚科

ページ範囲:P.147 - P.149

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 86歳,女性.1カ月前より食欲不振,腹部膨満感などの異常があり,内科で精査の結果,進行胃癌と診断された.それに合併して5年以上前より右腰背部に自覚のない皮疹があり,徐々に増大し,初診時には26×14cmに及ぶ巨大な皮疹を呈していた.生検した結果,一部に真皮内への浸潤を認めた単発型のボーエン病と判明した.ボーエン病については,砒素などの発癌因子との関連や内臓悪性腫瘍との合併例につき過去に多くの報告がある.本症例は農業に従事していたため砒素を摂取した可能性があるが,単発型であるため砒素が原因とは断定し難かった.また本症例においてボーエン病が巨大化した一因として胃癌の合併があると考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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