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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科42巻3号

1988年03月発行

原著

分泌部への分化を示したエクリン汗器官腫瘍の1例

著者: 佐藤貴浩1 勝俣道夫1

所属機関: 1東京医科歯科大学医学部皮膚科教室

ページ範囲:P.219 - P.223

文献概要

 60歳,男性.10年前に気づいた前胸部の圧痛のある淡紫紅色の結節.組織学的には大型の細胞と小型の細胞からなり,大型の細胞はところどころで管腔様構造を形成し,内腔に好酸性無構造物質を認めた.この物質はPAS染色陽性およびCEA陽性を呈した.電顕的には管腔様構造は明調な細胞と暗調な細胞の2種類からなり,内腔に認めた高電子密度の針状結晶の集塊が特徴的であった.主に暗調な細胞の内腔側に分泌顆粒様物質を認めたため,自験例を分泌部への分化を示したエクリン汗器官腫瘍と診断した.しかし光顕的には大型の細胞と小型の細胞の配列が不規則であり,Kersting & Helwigのいうeccrine spiradenomaとはやや異なるものと思われた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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