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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科42巻3号

1988年03月発行

原著

汎発性脱毛症と胸腺腫を合併し種々の自己抗体を認めた尋常性天疱瘡の1例

著者: 片桐一元1 松永悦治1 板見智1 新海法1 高安進1 瀬口俊一郎

所属機関: 1大分医科大学皮膚科教室

ページ範囲:P.243 - P.247

文献概要

 55歳,女性.尋常性天疱瘡に汎発性脱毛症と胸腺腫を合併し,抗サイログロブリン抗体,抗マイクロゾーム抗体,抗骨格筋抗体,抗アセチルコリンレセプター抗体,抗核抗体陽性を示した1例を報告した.胸腺腫は尋常性天疱瘡発症の3年前の胸部単純X線写真ですでに認められ,汎発性脱毛症は天疱瘡の3カ月前に発症していた.胸腺腫を摘出したが皮疹は改善せず,プレドニン,シオゾールを併用し略治した.尋常性天疱瘡に胸腺腫を合併した報告は多数認められるが,本例では加えて,自己免疫疾患の一つと想定される汎発性脱毛症を合併し,種々の自己抗体が陽性であり,胸腺腫に基づく自己免疫疾患の複合が考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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