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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科42巻3号

1988年03月発行

文献概要

原著

視神経炎と蝶形紅斑を初発症状とした全身性エリテマトーデスの1例

著者: 寺本範子1 刀祢毅1 斎藤隆三1 加藤昌久2

所属機関: 1国立横浜病院皮膚科 2国立横浜病院眼科

ページ範囲:P.255 - P.259

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 15歳,女.蝶形紅斑を主訴として当科受診.同時に"眼の奥の痛み"を訴える.臨床所見,抗核抗体陽性,低補体血症などの検査所見より当科にて全身性エリテマトーデス(SLE),眼科にて眼底螢光造影の所見などより視神経炎と診断した.プレドニゾロン40mg/日の内服にて視神経炎の改善をみるが,尿所見と低補体血症が持続することより,メチルプレドニゾロン1,000mg/日,3日間のパルス療法を施行し,諸症状,諸検査の改善もみられた.SLEにおける視神経炎の報告は稀であり,内外の文献を加え若干の考按を述べた.視神経炎が発症したSLE症例では,横断性脊髄炎を視神経炎の発症と同時または発症前後に認めることが多く,視神経炎は中枢神経系ループスの一症状としてみられることが多いと考えられた.SLEにおいては,他の神経症状なしに,視神経炎が単独にみられた場合でも,治療に関し十分な注意が必要であると思われる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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