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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科42巻4号

1988年04月発行

文献概要

原著

Vesiculobullous Systemic Lupus Erythematosus

著者: 米元康蔵1 尾立朱実1 木下正子1 田所昌夫2

所属機関: 1河北総合病院皮膚科 2河北総合病院内科

ページ範囲:P.319 - P.323

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 蛋白尿,胸痛を初発症状として発症,経過中に水疱性皮疹を生じ,加療により6年間寛解導入していたが,水疱の再発とともに急速に腎障害が進行したvesiculobullousSLEの女性例を報告した.水疱は表皮下水疱で,水疱底部および真皮上層に好中球を主体とする細胞浸潤,螢光抗体法直接法にて基底膜部にIgG,IgM,IgAならびにC3,C1qの線状沈着を認めた.血中抗基底膜抗体は陰性.治療としてステロイド増量と免疫抑制剤の併用を試みたが,腎機能・皮疹ともに改善せず,ステロイドのパルス療法により,皮疹は消失するも腎障害は進行し全身状態不良となった.木症はSLEの特殊型と考えられるが,重症度・予後との関係については今後症例を重ね,長期経過観察と詳細な免疫学的検討が必要と思われる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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