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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科42巻4号

1988年04月発行

原著

Butyrophenone系向精神薬の長期服用により惹起されたと思われる異常色素沈着症例

著者: 関いづみ1 池谷田鶴子1

所属機関: 1順天堂大学医学部皮膚科教室

ページ範囲:P.345 - P.350

文献概要

 Butyrophenone系向精神薬pipamperone (以下PP)内服により惹起されたと思われる露光部皮膚スレート色色素沈着症の2症例につき報告した.2例とも精神分裂病として初診時までに数年間の長期に亘りPPの内服歴があり,いずれも皮膚の炎症症状の既往がなく,徐々に露光部の色素沈着を呈してきたものである.病理組織所見では,表皮の軽度の萎縮と変性および真皮に担色細胞の集簇が認められた.皮疹の分布および貼布試験,光貼布試験の結果から,この色素沈着の発症にはPPおよび光の関与が考えられた.恒常的に向精神薬を服用している4つの精神科専門病院入院中の740名の患者のうち467名の精神分裂病患者の調査ではchlorpromazine長期(3カ月以上)内服者が163名,PP内服者が40名いた.しかし同様の色素沈着を呈した症例はなく,この2例は極めて稀な症例であることが示された.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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