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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科42巻5号

1988年05月発行

文献概要

原著

Pseudoxanthoma Elasticumに続発したElastosis Perforans Serpiginosaの1例

著者: 金沢一也1 狩野俊幸1 加藤英行1 矢尾板英夫1

所属機関: 1自治医科大学皮膚科教室

ページ範囲:P.425 - P.430

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 頸部にpseudoxanthoma elasticum (PXE)の皮疹を持ち,初診の約半年前より右側頸部にelastosis perforans serpiginosa (EPS)を続発したと考えられる24歳男性例を報告した.臨床検査成績では,指尖容積脈波で細動脈の弾性低下を認める所見があり,眼底検査ではangioid streaks, aventurine fundusの所見が認められた.組織所見では,PXE部において真皮中層に異常弾力線維の集塊が認められ(オルセイン染色),この部に一致してコッサ染色陽性,アルシアンブルー染色陽性物質が認められた.EPS部では異常弾力線維のtransepidermal eliminationの過程が観察された.治療はEPSには夜間のステロイド剤含有テープ貼布が効果を示し,瘡様丘疹の扁平化,拡大傾向抑制がみられた.しかし,PXEについてはステロイド軟膏塗擦,ビタミンE内服ともに効果は認められなかった.文献的に昭和51年以後,最近10年間のEPS本邦報告例を集計し検討した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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