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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科42巻5号

1988年05月発行

文献概要

原著

特発性陰嚢石灰沈着症の1例

著者: 海老原全1 桜岡浩一1 清水宏1 西川武二1

所属機関: 1慶應義塾大学医学部皮膚科教室

ページ範囲:P.437 - P.441

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 51歳男に発症した特発性陰嚢石灰沈着症の1例を報告した.病変部を一塊として摘出し検討を加えたところ,光顕にて真皮内に境界明瞭な結節性病変を認め,結節内には顆粒状,塊状の沈若物質を認めた,電顕では,結節内容物は針状結晶状高電子密度物質により構成されていた.またX線分析を行ったところ,結節内でCaとPのピークが高値に検出され,内容物を生化学的に定量したところ,乾燥重量100mg中,Ca 14.4mg,IP 30.9mgが含有され,Ca3(PO42の結晶と推測された.さらに結節周囲の電顕的検討により,活動性の線維芽細胞が多数集積している像が認められ,胞体内に,結節内に認められた針状結晶状高電子密度物質と同様の物質が認められた.以上の所見より本症の石灰化の機序に活動性の線維芽細胞が関与している可能性が示唆された.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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