icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科42巻6号

1988年06月発行

原著

亜急性皮膚エリテマトーデスの1例

著者: 田村敦志1 石川英一1

所属機関: 1群馬大学医学部皮膚科教室

ページ範囲:P.555 - P.560

文献概要

 30歳,女性.初診の10年前より日光過敏,3年前よりレイノー現象,関節痛を有する女性に約1年前より日光露出部に瘙痒を伴う紫紅色斑,丘疹が多発するようになった.皮疹は色素沈着を残しながら周辺に拡大し,出没を繰り返した.皮疹部の組織像は,表皮基底層の液状変性と真皮上層に限局した小円形細胞浸潤より成り立っていた.以上の皮疹の特徴より本例をSontheimerらの提唱した亜急性皮膚エリテマトーデスに合致すると考えた.検査上,リウマチ因子は陽性であったが,抗核抗体,抗DNA抗体,抗SS-A抗体,抗SS-B抗体はいずれも陰性であった.他に,涙液分泌軽度低下,角膜糜爛を認めた.治療として,非ステロイド系消炎剤,プレドニソロン,DDSなどの内服を試みたが効果なく,アザチオプリン50mg内服でよくコントロールされた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら