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原著
文献概要
30歳,女性.初診の10年前より日光過敏,3年前よりレイノー現象,関節痛を有する女性に約1年前より日光露出部に瘙痒を伴う紫紅色斑,丘疹が多発するようになった.皮疹は色素沈着を残しながら周辺に拡大し,出没を繰り返した.皮疹部の組織像は,表皮基底層の液状変性と真皮上層に限局した小円形細胞浸潤より成り立っていた.以上の皮疹の特徴より本例をSontheimerらの提唱した亜急性皮膚エリテマトーデスに合致すると考えた.検査上,リウマチ因子は陽性であったが,抗核抗体,抗DNA抗体,抗SS-A抗体,抗SS-B抗体はいずれも陰性であった.他に,涙液分泌軽度低下,角膜糜爛を認めた.治療として,非ステロイド系消炎剤,プレドニソロン,DDSなどの内服を試みたが効果なく,アザチオプリン50mg内服でよくコントロールされた.
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