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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科42巻6号

1988年06月発行

文献概要

原著

歩行困難を来した掌蹠膿疱症—仙腸関節炎併発例

著者: 川浪耐子1 花輪滋1 森嶋隆文1 森嶋和子2

所属機関: 1日本大学医学部皮膚科教室 2梅島診療所皮膚科

ページ範囲:P.579 - P.583

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 掌蹠膿疱症性骨関節炎は一般に胸肋鎖骨間部にみられるが,仔細に検索すると,これら患者の約10%に仙腸関節炎の合併がみられる.仙腸関節炎による臨床症状は圧痛,運動時痛,下肢痛などである.最近,我々は掌蹠膿疱症の治療中,腰痛のため,歩行困難となった30歳,女性例を経験した.自験例で興味あることは,歩行困難の原因が掌蹠膿疱症性仙腸関節炎であったこと,扁摘によって皮膚症状および骨関節症状が消失したことである.この症例の経験から,掌蹠膿疱症と骨関節病変が共通の病因,殊に病巣感染に関連して発症すること,治療に際し,感染病巣の検索とその除去,殊に扁摘を積極的に行うべきものと考えた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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