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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科42巻7号

1988年07月発行

文献概要

原著

Combination Methodによる血漿交換療法が著効を示した水疱性類天疱瘡の1例

著者: 山田裕道1 三浦淳子1 沼田和代1 矢口均1 高森建二1 小川秀興1

所属機関: 1順天堂大学医学部皮膚科教室

ページ範囲:P.609 - P.614

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 症例は48歳女性,水疱性類天疱瘡.ステロイド剤,免疫抑制剤による治療に抵抗を示したため,我々の考案したcombination methodを用いて血漿交換療法を施行した.1日平均処理血漿量は約1,600ml,週2〜4回,2カ月間に計9回の血漿交換を行うことにより,抗体価の減少に伴って臨床症状の著明な改善を認めた.Combination methodとは,遠心分離法によって分離された血漿を濾過膜に通すことにより,血漿に含まれる旧己抗体を比較的選択的に除去し,その他残存せる自己血漿中の有用成分は,洗浄された血球成分と共に返却する方法である.本法は従来の遠心分離法と二重濾過法の欠点を補い,両者の利点を併せ有しており,今後,血漿交換適応症例に推奨されうる新しい方法と考えられる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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