icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科42巻7号

1988年07月発行

文献概要

原著

Mycobacterium kansasiiが原因であった皮下膿瘍の1例

著者: 楠田茂1 北川來美1 原田正1 栗本圭久1 吉田正己1 手塚正1 池口滋2 小山道子2 小西與承2

所属機関: 1近畿大学医学部皮膚科教室 2国立療養所千石荘病院内科

ページ範囲:P.663 - P.666

文献購入ページに移動
 46歳,男性の右肩甲部および右上腕内側部に出現した非定型抗酸菌による皮下膿瘍の1例を報告した.組織学的に膿瘍は肉芽組織からなる壁で構成されており,細菌学的検査で内容液中から,Mycobacterium kansasiiが分離同定された.感染経路は不明だが,基礎疾患に骨髄異形成症候群のrefractory anemia with excess of blast (RAEB)があり.これはいわゆる前白血病状態で,そのため免疫抵抗力が低下しており,opportunisticinfectionとして発症したものと推察された,治療経過は抗結核剤に比較的よく反応し,良好であった,本菌による皮下膿瘍のみで発症した症例は,本邦では極めて稀なものと思われる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?