icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科42巻8号

1988年08月発行

原著

Chronic Graft-Versus-Host Disease—電顕的検索

著者: 増子倫樹12 伊藤雅章12 佐藤良夫12

所属機関: 1新潟大学医学部皮膚科学教室 2新潟大学骨髄移植チーム

ページ範囲:P.713 - P.719

文献概要

 白血病の治療のために骨髄移植を施行し,急性graft-versus-host disease(GVHD)の既往のある慢性GVHDの2例を報告.第1例では頬粘膜部の隆起性白色の粘膜疹を,第2例では,手掌部の色素沈着を伴う角化性皮疹を電顕的に観察した.光顕的に,いずれの例でも,急性型に比べ,上皮および表皮の著明な肥厚を認める.微細構造的には,慢性型でも基本的に急性GVHDに類似の所見をみるが,急性型にみるような上皮および表皮細胞のミトコンドリアの空胞化を殆ど認めず,また,intracytoplasmic des—mosomeの形成も少ない.慢性型では基底板の不整,断裂,多層化が認められた.第2例では,メラノソームtransferの障害と多数のメラノファージをみる.慢性GVHDは,急性GVHDの遷延化したものと考えられるが,明らかな病理組織学的差異が存在する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら