icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科43巻1号

1989年01月発行

文献概要

症例報告

下腿に発生したEccrine Spiradenoma—病理組織学的,免疫組織学的検討と本邦例の文献的考察

著者: 横川眞弓1 鈴木伸典2 茶之木美也子2 寺尾淳子1 中川浩一1 濱田稔夫1 吉原渡3

所属機関: 1大阪市立大学医学部皮膚科学教室 2市立吹田市民病院皮膚科 3市立吹田市民病院病理

ページ範囲:P.57 - P.62

文献購入ページに移動
 16歳,女子.初診の約1年前より,左下腿伸側下部に,表面淡褐色の弾性硬の皮下小結節を認める.圧痛はあるが,自発痛はない.生検を兼ねて切除した.病理組織学的には,真皮下層から皮下織にかけて結合織被膜に囲まれた腫瘍塊が10数個存在する.腫瘍細胞は,明るい核をもつ大型の細胞と,濃染する核をもつ小型の細胞の2種類が認められ,腫瘍塊の中央部には前者,辺縁部には後者の細胞が多い.これらの細胞が,索状,偽管状に配列し,一部では管腔をなす.PAS染色は腫瘍細胞は陰性,間質に陽性.Bodian染色では神経線維は認められない.PAP法にて,CEAは管腔に沿って陽性,S−100蛋白は腫瘍細胞の一部に陽性を呈した.併せて,本邦報告例56例について検討した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?