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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科43巻1号

1989年01月発行

文献概要

症例報告

Acral Lentiginous Melanoma in Situの4例

著者: 斎田俊明1 石原八州司1 吉田永子1 河内繁雄1 斉木実2 望月正子3

所属機関: 1信州大学医学部皮膚科学教室 2長野赤十字病院皮膚科 3望月皮膚科医院

ページ範囲:P.63 - P.68

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 足底部に生じたacral lentiginous melanoma in situ (ALM in situ)の4例を報告した.いずれも,先に我々がALM in situの臨床的診断基準として提出した5項目を満たし,病理組織学的には,我々のいうphaseⅠ,Ⅱ,Ⅲの所見を不規則に混在した状態で呈する典型的な症例であった.これらの症例に既報告例などを加えてALM in situの臨床所見を詳しく検討することにより,臨床的診断基準の各項目につき,さらに詳しく解説した.このようにして,ALM in situの臨床的特徴をより明確に提示した.また,足底に生じる良性の色素細胞性病変との鑑別についても考察し,特にALM in situと通常の後天性色素細胞母斑ないしは単純性黒子との臨床的鑑別表を作成して,提示した.ALMin situの如き早期の段階の悪性黒色腫を正しく診断することは,その予後の改善に役立つのみならず,治療上の便宜性という面からも大いに意義あることと思われる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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