icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科43巻10号

1989年09月発行

原著

痒疹患者(Subacute to Chronic Prurigo Forms)18症例の臨床的検討

著者: 寺木祐一1 小粥雅明1 杉浦丹1

所属機関: 1清水市立清水総合病院皮膚科

ページ範囲:P.993 - P.998

文献概要

 当科で経験した痒疹患者18症例につき臨床的な検討を加えた.臨床像は体幹,四肢に散在性に出現する瘙痒の強い蕁麻疹様丘疹を主体とし,組織学的には真皮浅層の血管周囲のしばしば好酸球を混じるリンパ球,組織球の炎症性細胞浸潤である.臨床検査所見では,末梢血好酸球増多8例,肝胆道機能障害6例,糖尿病4例,胃炎・胃潰瘍3例,IgE上昇3例,胃癌,膵癌,高尿酸血症,腎機能低下それぞれ1例ずつであった(重複あり).好酸球増多のみを含めれば,異常を認めなかったものは7例であり,即ち18症例中11に内臓疾患等の全身性疾患を認めた.以上より痒疹では背景にある何らかの全身疾患に留意する必要があると思われた.またその発症機序に関しては不明であるが,血中に存在する種々の抗原(痒疹反応を惹起させる)に対する細胞性免疫機序によるものと推察し,上記の疾患等が直接的,ないしは間接的に関与しているのではないかと考えた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら