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症例報告
円形の脱毛斑を伴った石灰化上皮腫
著者: 木村俊次1
所属機関: 1国家公務員等共済組合連合会立川病院皮膚科
ページ範囲:P.1029 - P.1032
文献購入ページに移動 右後頭部皮下に生じた石灰化上皮腫に伴って,腫瘍と半分重なるようにして下方にほぼ同じ大きさの円形の脱毛斑を生じた11歳男児例を報告した.石灰化上皮腫の組織像は定型的であったが,直上の真皮下層には異物肉芽腫性炎症がみられ,有髄神経線維束周囲にも認められた.脱毛斑には軟毛様の毛がかなり多数みられたが,硬毛はなかった.組織学的にも軟毛様毛嚢と軟毛様の毛幹が認められ,毛嚢周囲には軽度の炎症性浸潤を伴っていた.脱毛斑は石灰化上皮腫摘出約3カ月後には消失し,周囲と同様の密度で硬毛が生え揃った.類似の脱毛症と比較検討したところ,自験例の脱毛斑は軽い圧迫によるものが最も考えられた。
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