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症例報告
サルコイドーシスに合併した移動性血栓性静脈炎
著者: 木村俊次1
所属機関: 1国家公務員等共済組合連合会立川病院
ページ範囲:P.1043 - P.1046
文献購入ページに移動 48歳家婦.3年来両下肢に結節性紅斑様皮疹が出没,圧痛は発現後2〜3日のみ認め,以後は自覚症状を欠く.組織学的には皮下脂肪織内のかなり大きい静脈の血栓性静脈炎で,サルコイド肉芽腫や結核様結節は認められない.臨床経過・症状と併せて移動性血栓性静脈炎と診断した,本例では血中アンギオテンシン転換酵素値は正常範囲内であったが,両側肺門リンパ節腫大,ツベルクリン反応疑陽性,眼科的に間質性角膜炎と網膜下小結節を認め,サルコイドーシスの臨床診断群に相当するサルコイドーシスには皮膚血管炎としてannular vasculitis,leukocytoclastic vasculitis,移動性でない血栓性静脈炎の合併が稀にみられているが,移動性血栓性静脈炎の合併は今回が初めてと思われる.
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