icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科43巻11号

1989年10月発行

原著

エックリン汗腺癌の電顕学的観察—移行部分化を示す1亜型

著者: 内山紀子1 進藤泰子1 望月正子1 日戸平太1

所属機関: 1信州大学医学部皮膚科学教室

ページ範囲:P.1085 - P.1092

文献概要

 48歳,男性の肘頭に15年間存在した結節から発生し,リンパ腺,肺,その他に転移したエックリン汗腺癌の1例を記載した.この汗腺癌は腺管構造のほか,印環型細胞と間質のヒアリン化に組織学的特徴があった.電顕的ならびに組織化学的検索により,腺管面下に,汗管・分泌部間の移行上皮に特異的な細胞接合装置—トンボ翼構造と,また印環型細胞の胞体内腔にはシアロムチンの分泌像が,それぞれ見いだされた.腫瘍細胞は移行部上皮と粘液細胞への分化を指向するものであり,エックリン腺癌の亜型の一つと考えられた.良性エックリン腫瘍の悪性化について言及した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら