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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科43巻11号

1989年10月発行

今月の症例

ライム病の1例と慢性遊走性紅斑の1例

著者: 本間光一1

所属機関: 1釧路赤十字病院皮膚科

ページ範囲:P.1105 - P.1108

文献概要

 症例1は42歳,男.右腋窩のダニ咬着にて当科受診し,虫体除去した.直後から紅斑が出現し,3週後紅斑が急速に拡大し,4週後微熱,全身倦怠感,関節痛が出現し再診した.ダニ咬着部を中心として長径30cmにおよぶ淡紅色斑を認めた.中心部から皮膚生検したが,銀染色でスピロヘータは証明できなかった.血清Borrelia burgdorferi抗体陽性でライム病と診断した.セフェム系内服で皮疹と全身症状は消失したが,皮疹のみ再発しminocycline内服で治癒した.症例2は49歳,女.左肩のダニ咬着で他院の治療を受けたが,5週後紅斑が出現し7週後当科受診した.咬着部を中心として左上背部から左上腕にかけ径22cmの環状紅斑を認めた.ペニシリン系内服で治癒した.Borreliaburgdorferi抗体は確認されず,現時点では慢性遊走性紅斑と診断した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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