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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科43巻11号

1989年10月発行

今月の症例

Lyme Borreliosisと考えられた2例

著者: 禹仁哲1 馬場俊一1 鈴木啓之1 井口和幸2

所属機関: 1日本大学医学部皮膚科学教室 2日本大学医学部臨床病理学教室

ページ範囲:P.1109 - P.1112

文献概要

 症例1.59歳,女性.福島県三島町在住.近くの山林から帰宅後,右前腕伸側に3カ所の刺咬部を中心とする浮腫性紅斑を認めたが,その後,紅斑の拡大はなかったという.1カ月後の受診時には刺咬部に紫紅色米粒大紅斑を認めた.他の臨床症状はない.Lyme病血清反応はImmunoperoxidase法(I.P.)で800倍陽性.症例2.33歳,女性.秋田県男鹿半島真山に登山.2日後,右耳介後部の虫体に気づき除去.刺咬後,5日目に当科受診.マダニ刺咬部に米粒大の丘疹を認めた.他の臨床症状はない.Lyme病血清反応はI.P.で1,600倍陽性.これら2症例はいずれもLyme病で見られるとされる臨床所見を認めないにもかかわらずLyme病血清反応陽性を示した.特に症例2では刺咬後5日目にLyme病血清反応陽性を示し,今回の刺咬前のBorrelia感染と思われた.臨床症状の明らかでないLyme borreliosisの存在が考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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