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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科43巻11号

1989年10月発行

症例報告

ルポイド型自己免疫性肝炎と慢性甲状腺炎を合併したCRST症候群の1例

著者: 沼田和代1 今井龍介1 山田裕道1 高森建二1

所属機関: 1順天堂大学医学部皮膚科学教室

ページ範囲:P.1125 - P.1128

文献概要

 48歳女性,手指の皮下石灰化,レイノー現象,手指硬化,頸部から前胸部の毛細血管拡張の4症状と,免疫学的に抗セントロメア抗体が陽性であることよりCRST症候群と診断した.また,肝機能障害,高γグロブリン血症,抗核抗体・抗DNA抗体陽性,肝生検の所見などによりルポイド型自己免疫性肝炎(ルポイド型肝炎),さらにサイロイドテスト・マイクロゾームテスト陽性,甲状腺吸引生検の結果より,慢性甲状腺炎の合併も認められた.これら免疫学的異常値は,ステロイド剤によく反応し,約8カ月の治療により正常化した.CRST症候群,ルポイド型肝炎,慢性甲状腺炎という3種の自己免疫性疾患の併発は極めて稀で,我々が調べ得た限りでは本症例が本邦第1例である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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