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症例報告
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前脛骨型表皮水疱症は栄養障害型先天性表皮水疱症の一亜型であるが,その発症年齢が比較的高く,下腿に限局する水疱形成とその後の萎縮性瘢痕を特徴とする.また,爪の変形以外にはほとんど合併症を認めず予後良好な非常に稀有な病型である.今回我々は水疱形成,糜爛,その治癒後の萎縮性瘢痕が前脛骨部に限局する8歳女児の前脛骨型表皮水疱症の1例を経験し,病理組織像および電顕的所見について報告した.自験例は電顕的にbasal lamina下方での水疱形成を認めるとともに,水疱部および水疱辺縁部でのanchoring fibrilの減少,消失を認めた.
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